優れた品質と性能を確保するために、セイコーでは独自の細かな基準を設けています。デザイナーは、それらの基準を満たしながら、お客様が求めるデザインのイメージを実現するために、その背景にあるさまざまな要素について綿密なリサーチを行います。それをもとに、針やインデックスの形状や色、バンドの素材に至るまで、腕時計を構成する一つひとつのディテールを丁寧に練り上げ、お客様が思い描くオリジナリティをデザインに落とし込んでいきます。

腕時計の形状や構造は、内蔵するムーブメントや求められる機能によって大きく変わってきます。そのため、設計者は、デザインとの整合性を図るために、平面の設計図を作製し、緻密な検証を行うことからはじめます。そして、デザイナーや製造を担う技術者たちとの連携のもと、デザインと機能を両立させるべく、細かな調整を繰り返しながら、3D設計図を作り上げていきます。

製造では、製品設計・金型設計をもとに、ケースや針の金型を製作し、プレス加工、鍛造、切削、研磨、組立てまでの工程を行います。技術者たちが匠の技を集結させ、一つひとつの製品を手作業で丁寧に作り上げていきます。数ある製造工程の中でも、特に精緻な技術が求められる研磨は、修得するのに少なくとも十数年を要します。セイコー特有の上質な光沢感は、卓越した技を持つ技術者が、丹念に磨き上げていくことによって実現しています。製造を担う技術者たちが重きを置くのは、一にも二にも、セイコーが誇る高い品質を守ることです。お客様の想いをかたちにするために、あらゆる工程を担うすべての職人が、一切妥協することなく技術の粋を尽くし、心を込めてお作りしています。