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「MISIAデビュー25周年」コラボレーションストーリー
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『MISIAデビュー25周年×SEIKO』、アニバーサリーイヤーを華やかに彩った「コラボウオッチ」とは?
人気アーティストのMISIAと、大手時計メーカー・セイコーとのコラボレーションにより誕生した限定モデル腕時計が、好調な売れ行きを見せている。セイコーでは法人の顧客向けにオリジナルの腕時計を受注生産する「オリジナルウオッチ」製作サービスを行っているが、コロナ禍以降、特にアーティスト事務所からの依頼が増加傾向にあるという。比較的安価なものが多いファングッズ市場にあって、高価格ながらも支持を集める新たなファンアイテム、「コラボウオッチ」の魅力とは。
これまでの歴史とこれからの未来へ、特別な記念品として辿り着いた「コラボウオッチ」
今年5月、MISIAのデビュー25周年を記念し、セイコーとの限定コラボウオッチが発売された。キャメルモデル、ブラックモデルそれぞれ限定300本で、価格は39,000円(税込)。裏ぶたにはシリアルナンバーが刻印されている。数量限定かつオンリーワンのファン必携アイテムだ。
「予約という形で販売を開始しましたが、販売開始と同時に、想定していた以上のお申し込みをいただきました。MISIAのライブではご夫婦やカップルで参加される方が多いですが、今回の時計もペアでご購入される方が多く見受けられました」
そう明かすのはMISIAの商品企画開発などを手掛ける担当者。MISIAデビュー25周年に向けて特別なアイテムを作りたいと思案する中、腕時計に行き着いたと話す。
「歌手としての25年間の歴史とこれからの未来、その通過点としてのデビュー25周年。そう考えた時に、時を刻む時計がふさわしいと思いました」
世界で愛されるセイコーにアーティストの将来も重ねた。
「歴史が深く、品質に定評がある。そんな世界中で愛される日本を代表する時計メーカーと同様に、MISIAの歌声も同じように末長く愛され続けられますように、との思いもありました」(MISIA商品開発担当者)
素材に込めたMISIAの想いと妥協なき繊細なデザイン、大人に似合う2本
『MISIAデビュー25周年 × SEIKO』コラボウオッチのデザインは、25周年の記念ライブ『25th Anniversary MISIA THE GREAT HOPE』のロゴをモチーフにしている。キャメルとブラックのストラップはいずれもアップルレザーを使用。りんごの繊維を原料の一部として使用し、化学原料の含有率を減らした合成皮革だ。生産時に使用する水の量やCO2の排出量も抑えられるため、環境に優しい素材として注目されている。
「デビュー25周年を強く打ち出すことで、周年の記念品としてだけではなく、購入された方にとってもMISIAとの歴史の記念になるのではないか、と思いました。通常ストラップ部分は本革が多いですが、アップルレザーにしたのもこだわりのひとつです。社会貢献活動に積極的に取り組むMISIAらしく、環境や生物に配慮した素材にしたかったんです」(MISIA商品開発担当者)
担当者の要望を受け、製作の窓口となったのはセイコーウオッチ株式会社専門店営業部・森岡拓洋さん。MISIAらしい1本を完成させるため、過去のCDジャケットや衣装を調べるだけでなく、自由が丘にあるMISIAのエシカルショップにも足を運びアイデアを練った。「今回はデビュー25周年のロゴマークを大切にしたうえで、『さり気なく普段使いできるデザイン』へと落とし込みました。個人的には、ボディに配したMISIAさんのデザインシルエットの繊細さにぜひ注目して欲しいですね」(森岡さん)
ファン層は40~50代が中心というMISIA。“普段使いできてシンプルで品のある腕時計”は願った通りの出来栄えだった、とMISIA商品開発担当者。
「ファンアイテムの製作は細部にこだわり、どんなアイテムがお客様に喜んでいただけるかを常に念頭に置いて向き合っていますが、そうした思いを十分に汲み取っていただき、モノ作りをすることができました。セイコーがこれまで長く人々に愛される理由は、私たちと同様、商品に対するこだわりと、セイコーというブランドへのプライドと愛情だと感じました。そうした企業様とコラボできたこと自体が魅力だったのではないかと思っています」(MISIA商品開発担当者)
「会えなくても身近に…」コロナ禍で重要性を増したファンアイテム
「セイコーオリジナルウオッチ」製作サービスは、もともと法人向けに販売用、記念品、販促品などの腕時計を製造してきた。既存型モデルのアレンジや、フルオーダーまで4つのスタイルから選べるが、いずれも専任のウオッチデザイナーがつき、要望に沿ったオリジナルの1本を実現できるのが大きな特徴だ。
「このサービスはオリジナルの腕時計が作れることが最大の魅力ですが、もう一つの魅力は、セイコーブランドならではの安心と信頼を提供できる点です。また、アフターサービスについて長く使っていただけるための体制を整えていることも、ご好評いただいている理由だと思います」(森岡さん)
数多くの企業や学校法人とのコラボレーションを展開する中、2022年のSuperflyデビュー15周年記念ウオッチをきっかけに、アーティスト系事務所による需要が増加。今年に入ってPerfume、MISIAのコラボウオッチを製作している。
「情報解禁になったタイミングでSNSやネットで反響があり、発売後も裏ぶたのシリアルナンバーについてファン同士で盛り上がる、そんな様子が見受けられます。コロナ禍で対面ライブがなくなり、ファンがアーティストと会える機会が減りました。ファンとアーティストをつなぐ役割を担うファンアイテムが重要性を増す中で、日常的に身に着けることができる腕時計が注目されたのではないでしょうか」(森岡さん)
「セイコーオリジナルウオッチ」が切り拓く新たなファンアイテムの可能性
これまでファンアイテムと言えば、うちわやキーホルダー、クリアファイルといった比較的安価なものが定番だった。コラボウオッチのように “高価格でも売れる”アイテムは、同市場においても新たな潮流と言えるだろう。
「文具や小物以外にも『もう少し本格的なアイテムが欲しい』というニーズもあり、それに応えるアイテムとして腕時計が求められているのでは、と感じています。また、時期的に見て、コロナ禍でアーティストの全国ツアーがなくなり、それまで遠征費に使っていた分のお金をアイテムに使う、という流れがあったように思います」 (森岡さん)
コラボウオッチは“ふり幅の広さ”もファンアイテムとして向いている所以だ。デザインやカラーでアーティスト色を強く打ち出し、ひと目で“推し”が分かる仕様にもなれば、MISIAコラボのように普段使いできる本格仕様にもなる。
「コラボウオッチは変化し続けるトレンドやファン層に合わせて、さまざまな提案が可能です。周年の時期だけでなく、5年後10年後も長く大切に使っていただけるものですし、単価の高い商品ですので、ビジネス面からもアーティストに貢献できると思っています。ファンアイテムとして、これからさらに広がりを見せるのではないでしょうか」(森岡さん)
ライブ会場だけでなく、大人も日常的に身に着けられる正当なファンアイテム。それは、いずれビジネスシーンで“同志”を見つける、そんな出会いのきっかけになるかもしれない。「コラボウオッチ」の動向に注目したい。