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Vol.
06

観光特急「しまかぜ」コラボレーションストーリー

広報会議タイアップ

周年にはブランドを体現するアイテムを

老舗時計メーカー、セイコーウオッチでは、法人向けにオリジナルの特別な時計をつくる事業を行っている。近畿日本鉄道(近鉄)の看板である観光特急「しまかぜ」が運行開始10周年を迎えたことから、近鉄はセイコーウオッチとともに記念腕時計を製作し、販売した。

“プレミアム感”を表現したい

──運行開始10周年の記念グッズとして「腕時計」をつくろうと考えた理由を教えてください。


柴谷:
観光特急「しまかぜ」(以下、「しまかぜ」)は2013年3月に運行を開始し、今年で10周年の車両ですが、現在も特に行楽シーズンにはすぐに完売するような人気の車両です。そんな「しまかぜ」のコンセプトのひとつが“プレミアム感”です。目的地である伊勢志摩へ向かう道中も良い思い出となるよう、乗ること自体を楽しみとしていただくべく、最高級のおもてなしを提供しています。10周年にあたり、このような「しまかぜ」のコンセプトに沿った、プレミアムで特別感のある記念グッズをつくりたいと考えていたところ、Instagramでセイコーウオッチさんの事業を知り、相談しました。
林:
2022年の9月に実施した最初の打ち合わせでは、柴谷さんから「良いものをつくりたい」「長くご愛用いただけるプレミアムな腕時計にしたい」という熱意あるオーダーをいただきましたね。
柴谷:
「しまかぜ」は、年代・性別にかかわらず、幅広い層の方に愛していただいている車両です。そのため、多くの方に身に着けていただけるデザインと長く愛用できる「本物」にしたいという思いがありました。「腕時計」は、部品やデザイン一つひとつに様々なこだわりを詰め込むことができると知りました。そのため、ブランドの背景やストーリー、目的地である伊勢志摩のイメージまでしっかりと表現できるので、私が求めていたプレミアムで特別なグッズを実現できると感じました。

多数の従業員の協力を得て完成


──オリジナルの腕時計をつくると決まった際、社内の反応はいかがでしたか?


柴谷:10周年記念腕時計の販売価格は5万円。過去に、当社でこのような高価格帯のグッズをつくった経験はなかったので、驚きや不安の声もありました。しかし、実際に企画が始まると積極的にアイデアを出してくれるなど、他部署も協力してくれました。例えば、プレミアムシートをイメージしたボックスの内装は、実際にシートに採用している革サンプルを関連部署から手配し、セイコーウオッチさんに色合わせをしていただきました。ボックス内部に記載している「しまかぜ」の説明テキストも関連部署にアドバイスをもらいながら作成しています。
林:
近鉄の皆さまはとても協力的で、多くの方からのアイデアやご意見をいただき、皆で一緒につくり上げた感覚があります。私自身も、実際に「しまかぜ」に乗車し、自分の目で車体の色などを確認して、グラデーション文字盤の青色を決定しました。大好きな「しまかぜ」を毎日身に着けることで、乗車した日の素敵な思い出を振り返るきっかけになると嬉しいです。
柴谷:
セイコーウオッチさんからは、付属品としてクロスを付けるというアイデアもいただきました。おかげで、限定品だからこそのプレミアム感が増し、鉄道ファンの方だけでなく、コレクターのような腕時計ファンの方にも喜んでいただけるグッズになったと思います。

ファンと社員をつなぐグッズに

──4月に販売告知を行った後、反響はいかがですか。
柴谷:
今春、当社で実施した「きんてつ鉄道まつり」というイベントで10周年記念腕時計のサンプルをお披露目しました。ご来場されたお客さまからは、「さすがセイコーだね」「欲しい」といった声を多くいただき、10周年の思い出となるような、特別な記念グッズがつくれたのではないかと思っています。また、かつては私とともに勤務していた現役の乗務員をはじめ、他部署の社員からも「購入した」という連絡をもらっています。
林:
乗務員の方や社員の方にも満足していただけるグッズになって嬉しいです。
柴谷:
先ほども触れましたが、これまで当社には、今回の記念腕時計のような高価格帯グッズはありませんでした。おそらく、皆の中に「鉄道グッズ」に対する固定観念のようなものがあったのだと思います。しかし、記念腕時計の製作によって、「せっかくつくるのであれば、こだわり抜いた本物をつくりたい」という、考えが生まれてきているのを感じます。実際に、「本物」志向の高価格帯グッズの企画も動き始めており、社内に新しい視点を提供できたのではないかと思っています。また、鉄道グッズの製作には、単に「ものをつくる」だけではなく「広告」としての役割もあるのかなと感じています。以前、関東の同業他社で勤務している友人と会った時に「近鉄ってどこを走っているの?」と聞かれたことがずっと引っかかっていました。今回の企画では、沿線に馴染みのない方にも、「セイコーブランド」とともに近鉄や伊勢志摩の魅力を知っていただけたらなという思いも込めています。
林:
法人向けオリジナル腕時計には、今回のようにファンの方と、社員の方が腕時計を通してつながり、皆の周年を祝う気持ちをひとつにしてくれる力もあります。また、企業周年を祝う社内記念品としては、今後も続く時を皆で一緒に刻む一体感が得られると思います。腕時計はファングッズとしても記念品としても相応しい商品です。私たちは皆さまの思いをつなぐきっかけをつくっていきたいと思います。(敬称略)

近畿日本鉄道株式会社

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